Archive for the '香港のコピー文化' Category

中国の知的所有権について その2

水曜日, 5月 2nd, 2007

例えば、著作権第5章第46条には以下のように書かれています。

「次に挙げる侵害行為があるときは、情状により侵害停止、影響除去、公開謝罪、損害賠償などの民事上の責任を負わなければならない。かつ著作権行政管理部門が不法所得の没収、罰金などの行政処罰をすることができる」

1.第三者の作品を剽窃、盗用すること。
2.著作権者の許諾を得ずに、営利を目的としてその作品を複製発行すること。
3.第三者が専有出版権を享有する図書を出版すること。
4.実演者の許諾を得ずに、その実演の録音録画を製作し、出版すること。
5.録音録画製作者の許諾を得ずに、その製作した録音録画を複製発行すること。
6.ラジオ局及びテレビ局の許諾を得ずに、その製作したラジオ及びテレビ番組を複製発行すること。
7.偽って第三者の氏名を表示した美術の作品を製作し、販売すること。

日本の著作権法と似たようなことが書かれていますが、5番や6番あたりについてはしょっちゅう破られているのでたいして気になりません。例えば少し前までは、映画館にこっそりとカメラを持ち込んで映像を隠し撮りするといったことをやっていました。

また、コンピュータソフトウェアに関しては通常の著作権法とは別個の法律が成立する場合も多いのですが、中国でも例に漏れず

1991年10月1日 国務院より「コンピュータープログラム保護条例」施行
1994年10月19日 国家版権局より「コンピュータープログラム著作権管理に関する通知」発布
1994年12月19日 新聞出版署より「電子出版物管理を強化するについての通知」発布

といった法律や通知が発布されています。しかしまあ、違法ソフトウェアのコピー率が毎年90%を越えている現状からすると、こちらも守られているとは到底言いがたく、法律がちゃんと機能しているかどうかも怪しい状態なのは言うまでもありません・・・。

※近藤丸人『中国著作権法 法律と運用 中国著作権法「理論と運用」&著作権法及び関連法規』
ビクターブックス/ビクターエンタテインメント株式会社1997年
馬暁剛・高華苓編著/近藤丸人監修・翻訳『中国著作権法 法律と運用  著作権案例百析』
ビクターブックス/ビクターエンタテインメント株式会社 1997年
劉波林・許超・孫建紅著/近藤丸人監修・翻訳『中国著作権法 法律と運用 実用著作権知識問答』
ビクターブックス/ビクターエンタテインメント株式会社 1997年

より引用致しました。発行元がビクターってのがさすがといいますか、興味深いですね・・・。

中国の知的所有権について その 1

火曜日, 5月 1st, 2007

色々なニュースを聞いてもわかるとおり、中国・香港というとなんだかパクリばっかりやっていそうな間違ったイメージがあるかもしれませんが、知的所有権に関する法律は整備されていて、例えば著作権に関して言えば以下のような法律がちゃんと設けられています。

1950年「出版の改善と発展に関する決議」(出版総書)
1959年「文学と社会科学の書籍原稿料に関する暫定規定」(文化部)
1986年「民法通則」施行
1986年9月「録音録画出版物保護暫時条例」(広播電視部)
1991年6月「著作権法」施行
同年同月 「著作権実施条例」「コンピュータソフトウェアの保護に関する規則」
1992年10月「ベルヌ条約」「万国著作権条約」加盟
1993年4月「レコード保護条約」加盟

・・・とまあ色々です。しかしどこの国でも同じですが、法律があっても実際に機能しているかどうかはまた別の話で、最近では2001年にWTOに加盟したことで、著作権や商標権と言った知的所有権に関する国際的な取り決めに従わなければならなくなることは必至ではないかと言われています。

「中華人民共和国著作権法」というのは全部で6章からなっており、1991年6月1日より施行されています。

第1章 総則
第2章 著作権
第3章 著作権の使用許諾契約
第4章 出版、実演、録音及び放送
第5章 法律上の責任
第6章 付則

その他、「中華人民共和国著作権法実施条例」、「国際著作権条約の実施に関する規定」
「録音録画出版物の版権保護暫定施行条例」、「図書・定期刊行物の版権保護に関する試行条例」・・・等。第5章の「法律上の責任」には、著作権法を違反した際の罰則について書かれています。 

コピーはすべて悪か?

木曜日, 3月 15th, 2007

以前、バイト先の某パソコンショップに、中国人の御客様がいらっしゃって、かようなクレームをつけていかれました。

「○○が私のパソコンにインストールできない!・・・(30分くらい続くので省略)・・・この店で売ってるのは全部コピーソフトか!?」

そのとき、クレームを受けた店員さんは「あんたの国とは違うんだよ!日本の店がコピーソフトなんか売ると思ってるのか!」・・・と怒っていたのですが、私はなぜかえらく感心してしまい、『中国では、普通のパソコンショップで堂々とコピーを売っているんだなあ・・・』と、ある種の感動すら覚えたものでした。

でもまあ、こんなことを言うとアレなんですが、コピーするのがすべて悪いとは思いません。例えばあなた様が海外に行った際、たまたま現地のテレビで観たドラマを気に入ってしまって、どうしても続きが観たい!となったとします。あなた様は通販サイトや街中のビデオショップを回りますが、海外ドラマなのでどこにも売っていない・・・もしくはとても高価・・・。数年前なら、ここであきらめるか、現地の友達に頼んで録画したビデオを送ってもらう等、とにかくカネと時間の方法しかありませんでした。

しかし、今ではどうでしょう。インターネット上で探せば、大概のものはどこかに落ちていたりします。あなた様は無事、観たくて仕方が無かったドラマを最終回まで見ることができるのです。

別に不法コピーを推奨するわけではありませんが、とにかくコピーとなれば何でもかんでも悪だという考えはおかしいと思います。最新の映画をダウンロードしてしまうのはまずいとしても、ただ単に日本ではやっていないドラマが観たいとか、日本未入荷のCDに入っている音楽が欲しい・・・といったくらいなら、インターネットを大いに活用すべきではないでしょうか。

なーんて言ってると、際限が効かなくなってしまうのが人間というもの。wiiのコピーソフトがダウンロードできるサイトを発見したときは、さすがの私も呆れましたが、 香港ではコピーが手に入りやすいゲーム機が市場に出回るという嫌な法則があるようで、日本では品薄状態が続いているDS Liteなんかも香港では結構あまっていたりします。

香港の海賊版 コピーは文化だ! その2

月曜日, 3月 5th, 2007

違法コピー。

これまでお話してきましたとおり、だいたい90年代後半までCD-ROMやDVDメディアといった物理的媒体が中心となっていましたが、近年急増しているのがインターネット上におけるファイル交換です。これは高速回線の整備により、従来ならばメディアに記録させないとやり取りできなかったような大容量データも、オンラインでアップロード・ダウンロードすることが可能となったからです。また、『WinMX』や『BitTorrent(通称BT)』といったP2Pソフトが開発され、特に『BitTorrent』に関しては、「21世紀最大の発明」と賞賛されるほどの蔓延ぶり。技術的な説明は省きますが、とにかく相手からファイルの一部を受けとるには、自分もファイルの一部を渡さなければならないといった法則を導入することによって、ダウンロードを飛躍的に加速させたと言われています。

従来のP2Pソフトではアクセスが集中するデータほどダウンロードに要する時間が長くなるという致命的な弱点がありましたが、『BT』はその逆。むしろ人気のあるデータほど高速にダウンロードすることができるというのです。当然、知的財産権を主張する団体がこうした動きを見逃しておくはずもなく、2005年1月にはかの有名な「古惑天皇」と呼ばれる 38歳の男性がアメリカ映画などの動画ファイルを違法にアップロードしたとして逮捕されています。全米映画協会(MPAA)の中華地域営業総監である何偉雄によると、2004年のインターネット上での違法なファイル交換件数は前年の107件から約20倍増加の2400件にのぼり、そのうちBTを使ったものは4割7分に上るといいます。

さすがの香港人もびびったのか、彼の逮捕直後、オンライン上でのファイル交換件数は8~9割も激減したといいますが、これしきのことで懲りるはずも無く・・・オンライン上では、現在も違法なファイルのやりとりが続けられているのです。

香港の海賊版 コピーは文化だ! その1

日曜日, 3月 4th, 2007
1980年代、日本で集英社の『週刊少年ジャンプ』を初めとする漫画雑誌が旺盛を極めていた頃・・・・・・・

悪いことに香港では、出版社に著作権料・ライセンス料などを全く支払わず、秘密裏に原本を複製したいわゆる海賊版が横行していました。しかし、粗雑な用紙と印刷による安価な海賊版が溢れることによって、日本の漫画は香港市民の間で知名度を得たというのも事実です。

しかしまあ、香港人民の皆さんが粗悪な印刷に耐えかねたのか、それとも出版社の方でも「この人気なら本物を出しても売れるだろう」・・・と判断したのか、あるいはその両方なのかはよく知りませんが、90年代に入ると正式なライセンス契約を結んだ漫画・雑誌が発行されるようになり、海賊版はだんだんとその居場所を失っていきました。前述の『週刊少年ジャンプ』は『EXAM』という名で、文化傅信有限公司から刊行されています。

ところが・・・

コピーはやはり香港の文化。現在、主なコピーの対象となっているものはSONYのプレイステーションシリーズ(PSPとか)をはじめとするコンシューマ向けゲーム機用のゲームソフトや、Windows用のものを中心とした各種のゲーム、そしてアプリケーションソフト(特にまともに買うと何十万円もする高額なもの)等です。ただしコピーといっても、DVDやCD-Rに焼いて売るのは昔の話。今はオンラインでの違法ダウンロードが中心となり、ますますの隆盛を見せているのでした。

コピーしないでね

金曜日, 3月 2nd, 2007

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違法な音楽のダウンロードはやめよう!
著作権を遵守した音楽サイトを支持しよう!

・・・『BTでダウンロードするんじゃねえ!儲からねえだろう!ちゃんとHMVでCD買えよ!』と言いたいところを、やんわりと宣伝するのが香港風。

でもまあパソコンのソフトウェアあたりは大分厳しくなってきて、企業で購入する場合はたいてい正規ライセンスを取得して使うようになりました。なぜなら数年前、会社ぐるみでコピーソフトを使っていた法人がMicrosoftに訴えられ、なんと3500万香港ドルもの損害賠償を支払う羽目になったからです。ただ個人レベルにおいてはどうかというと、そこまで啓蒙が進んでいないのも事実。特に高額なアプリケーションやコンシューマ向けゲームソフトなんかは相変わらずの隆盛ぶりです。ただ、ハリウッド映画やディズニーアニメなど著作権に関してうるさいものに関しては、公開直後はダウンロードを控える傾向にあります。

全米映画協会(Motion Picture Association of America)の香港支部が2005年にはじき出したデータによると、アジア太平洋地域におけるソフトウェアの違法コピーによる年間被害総額は、8億9600万米ドルを超える勢いだというのですから、相当なものです。

<参考サイト>
・Motion Picture Association of America
 http://www.mpaa.org/
・Business Software Alliance
 http://www.bsa.org/globalhome.cfm
・RespectCopyrights.org
 http://www.respectcopyrights.org/content.html
・INTERNET NEWS
http://www.internetnews.com/bus-news/article.php/1486951

香港違法コピー列伝 その魅力と謎に迫る その9

木曜日, 3月 1st, 2007

このような要因が複数重なると、市場にしめる違法コピーの割合が増加するものと思われます。2005年5月に開かれたアメリカ議会の中国実施委員会(Congressional-Executive Commission on China)の公聴会で報告されたデータによると、2004年の国内総生産(GDP)の8%がこうしたブランド品や海賊盤といったいわゆる「贋物」の製造・販売によるもので、ドルに換算すると1320億ドルにもなるといいます。

さらには豊富で安価な労働力が得られることから、こうした「贋物」が中国から東南アジアや南米へと「輸出」されている現実があります。オハイオ州立大学のダニエル・チョウ教授の報告によると、2003年にアメリカで押収された知的財産侵害品の3分の2は中国製品であり、額面にすると6200万ドルに相当するそうです。2004年は上半期だけでこれを上回る額に達しているといい、違法コピーをはじめとする「贋物」の問題はもはや中国のみに留まらず、国境を越えた違法行為として認識されているのです。

香港違法コピー列伝 その魅力と謎に迫る その8

水曜日, 2月 28th, 2007

また2)について言えば、場所が田舎だったり郊外だったりして正規品を取り扱うショップが見当たらず、違法ソフトを使用せざるを得ないといった場合がこれに当たります。

さらに3)になりますと、中国の文化的要素が大いに関係してきます。中国に限らず、「著作権」「知的財産権」といった概念に対する理解が乏しい地域では、こうした権利を主張する欧米先進諸国に対して、「文化帝国主義だ」と反論する声もあるほどです。(図々しいと思うか、その通りだと納得するかはともかくとして)

4)は、知的財産権の侵害に対する法律や違反した場合の罰則規定などが規定されてはいるものの、それを監視し、取り締まる側-つまり政府や軍人、警察官、税関係員が賄賂によって、それを放置しているといった状況です。香港ではありませんが、タイにはゲーム機の輸入ができません。商務省外国貿易局の定める貿易管理制度によると(3)輸入禁止品目のうち3番に「ゲーム機」とあり、法律上での輸入が禁止されている商品です。よって現在タイのゲームショップで売られているゲーム機はすべて、税関係員に賄賂を支払い、持ち込みを見逃してもらったものであるといいます。このように、法律として規定されていても実際には機能していない場合など、違法コピーが野放し同然であることも少なくありません。

香港違法コピー列伝 その魅力と謎に迫る その7

火曜日, 2月 27th, 2007

ではなぜ、こうも違法コピーが行われてしまうのでしょうか。儲かってるんだからいい加減止めればいいのに・・・と思うのはごもっともですが、そこには彼らなりの事情があったのです。
そもそも、こうした違法コピーが蔓延する理由としては、

1)「正規ライセンスのパッケージソフトウェア」(以下「正規品」)を購入する経済的余裕がないため、安価な「違法コピーソフトウェア」(以下「違法ソフト」)を購入する。
2)「正規品」がどこにも販売されていない。
3)「正規品」及び「違法ソフト」という概念に乏しく、「違法」であるという認識や、その使用に対する罪悪感がない。
4)知的財産権を侵害する行為に対しての罰則規定がない、または整備されておらず、法律として機能していない。

・・・といったものが挙げられます。

1)に関して言えば、例えばMicrosoft社の『WindowsXP professional』の値段は、先進国と発展途上国で大きな差異はありません。世界中どこへ行っても、だいたい同じくらいのお値段で売られています。発展途上国だから格安になるということはありません。そのため、高くて正規品に手が出せない人々は、『ユーザー登録』や『ライセンスの認証』といったわずらわしさにとらわれることなく、正規品と同様の機能を提供する違法ソフトを選択してしまうのです。こうした傾向は、中南米や東南アジア諸国においても同様であると思われます。

香港違法コピー列伝 その魅力と謎に迫る その6

月曜日, 2月 26th, 2007

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さらに上のグラフを見ますと、中国がここ近年、特に2002年以降に損害額を著しく増加させているのに対し、香港では10年ほど前から現在とさして変わらない損害額を算出していることがわかります。途中でわずかな増加・減少の動きはあるものの、平均すると111.17米ドルとほぼ横ばいの数字です。ただ、2001年だけは大幅な増加を見せていますが、2001年と言えば、Microsoft社の新しいOS・・・すなわち”Windows XP”が発売された年ですから、おそらくはそのせいでしょう。

しかしまあ、損害額が一定の幅で上下しているということは、これは違法コピーそのものが、「高いソフトが買えない」といった経済的理由や、著作権・知的所有権に関する法制度の不備といった、言ってみれば「一時的」な問題ではなく、すでに香港の一習慣として根付いてしまったと見ることもできるかもしれません。言い換えれば、もう違法コピーに関しては救いようの無い状態だということです。